私は中学校、高校の6年間を
寮で生活した経験があります。
付属とかで同じ寮にいた訳ではなく、
中学と高校は全く違う環境で
集団生活をしていました。
寮生活というと、親元を離れて
ちゃんとやっていけるのか?
どこか閉鎖的な場所でありながらも
プライバシーがないのでは?
と思われるかもしれませんが、
それぞれ設備や生活の仕方が違っていて、
そこで生活する人によってそれぞれ
捉え方も違っていました。
自分の中では人とのかかわり方や
人生の礎を築いた期間であったかも
しれません。
かなり前の話にはなりますが、
過去を振り返りつつ現在の暮らしに
どう影響を与えているか、
まとめてみました。
=== 目 次 ===
なんの抵抗もなく寮生活をはじめた中学校時代
実は実戦的な寮生活をしていた高校時代
まとめ
なんの抵抗もなく寮生活をはじめた中学校時代
私の両親や兄弟はいずれも
公立中学校でありながら寮生活をする。
という特殊な地域に住んでおり、
親も兄弟もそうしてきたので、
特になんの抵抗もなく当たり前の
ように寮生活をスタートしました。
小学校を卒業したといっても
まだ幼稚な部分や至らない点も多々
あります。
また親のしつけや教育が行き届いてない
子ども少なからずいるため、
寮では厳しく管理監督されました。
当然ですが男女は別棟になっており
部屋は大部屋で8~10人がひとつの
部屋に暮らしていました。
朝6時に一斉ベルで起こされ、廊下に
並んで点呼を取ることから一日が始まる。
食事や勉強の時間そして夜の消灯の
時間も決まっていて、
監督者4名が色々と世話をする。
必要とあらば、叱ったり、指導して
しつけるといった感じでした。
1年で入寮してから慣れるまでは色々と
大変でした。
不安もあったのでしょうが、
それを感じる暇もなかったというのが
正直なところです。
それでも私がいた3年間では退寮に
なったり、学校に行かない
などという人は誰もいませんでした。
本当に右も左も分からない。
みんながするから自分もする。
基本的にみんな真面目で従順だったと
思います。
先輩でも表向きでは荒れる、暴れると
いった人もいませんでした。
衣食住を共にし、同じ釜の飯を食う
という特殊な環境の中で先輩後輩が
一緒に暮らす訳ですから、ある意味
みんな気持ちを押し殺して生活していた
のかもしれません。
しかし、ここで私は
自分のことは自分でする。
という基礎を身に付ける事ができたと
思います。
また先輩や同級生、そして下級生と
ふれあう事で自分の立ち位置やポジション
もある程度自分で理解できるように
なりました。
なので中学時代は主に基本的な
生活習慣(布団の上げ下げから身だしなみ、
食事の仕方、勉強をする姿勢など)
と人間関係(縦と横の社会)
を思いしらされ身に付ける事が
できました。
実は実戦的な寮生活をしていた高校時代
高校時代の寮生活は中学とは少し違った
ものでした。
男女は当然離れてはいるものの、
部屋は基本2人部屋で1年生に対し先輩である
2、3年生が一緒の部屋になるという形。
私の場合中学校も寮でしたのであまり
緊張などはなかったのですが、
同じ部屋に同じ学年がいない。
いつもそばにいるのは先輩という事で
変にストレスを感じていたのを覚えて
います。
その閉塞感は他の同級生も感じていた
ようで、入寮してすぐに退寮して
下宿に引っ越したり、親戚の家などから
通うといった人もいました。
これは自分が先輩になっても変わらず、
後輩に対して気を遣ったり、遣われたり
するのが非常に苦痛だった覚えが
あります。
高校になると監督者(寮監)は1人だけ
でした。
しかし挨拶や報告の仕方を厳しくたたき
込まれました。
まず挨拶は寮監にはもとより、
先輩の顔を見るたびにしなくては
ならない!?
部屋を出た先輩が部屋に戻ってくれば
挨拶。また出て行って戻ってくれば
挨拶。
たとえトイレの短い時間でも部屋を
出入りする度に挨拶をするのである。
自分が部屋を出て他の先輩の顔を
たとえ遠くで見つけても挨拶。
もうそこらへんで挨拶の声が、
朝はザイマス!昼はコンチワ!
夜はバンワ!という状況。
今思えば異様な光景です。
これは寮監が決めた事で、そんな習慣を知り
寮監が独裁者に見えました。
その寮監に対し、実家に帰省する際には
報告をして留守にする事を告げないと
いけない。
部屋の電球が切れて交換して欲しいなどの
申請も寮監室まで許可をとりに行く。
その報告の声が小さかったり、
内容が意味不明であると厳しく指摘受け
やりなおしをさせられる。
ある意味訓練のような状態。
しかしこれが社会に出て意外と
役にたつ。
挨拶は顔を見るなりすぐに発声
というルールだったので、
会社のエレベーターでいきなり
重役や上司にばったりと会っても
とっさに挨拶ができて褒められた
ことがあります。
また報告の仕方も5W1Hなどに沿って
内容を考えるので同じく上司や先輩に
対しても分かりやすく報告できる。
高卒で働き始めた私には他の同期に
差をつける事ができた大きな要因と
なりました。
また、先輩後輩と2人での生活で
身に着いたことは、
得意先との接待などで初対面の相手でも
あまり気負わず気まずくもならず
過ごす事ができる。
沈黙が苦痛でなにか話題を見つけ
なければ~ (;'∀')
という無理な気持ちにもならず
自然体でいられる。
いつの間にかそんな空気に
慣れていってたのだと思います。
そういった社会における
実戦的なことをふまえて
私たちに厳しく挨拶や報告を
強いていたと思うと
良い寮監であり、良い経験を
させてもらったと感謝してます。
まとめ
親御さんの気持ちを考えれば寮生活を
させることに不安もあると思います。
私の場合それしか選択肢がありません
でしたので、
従うしかありませんでした。
中学校では主に生活習慣や身だしなみ、
高校では更に社会を生き抜く術を
教わったんだと思います。
会社に入って何年か経った時、
尊敬している上司に中高と寮生活を
していたと告げると、
「そうか、なるほど。だからお前は
そうなんだな、今理解した」
と言われました。
他人を頼ろうとせず何でも自分で
やろうとする性格を意味していた
ようです。
それが良い時もありますが、
裏を返せば協調性がないという事でもある。
という話を飲みながら話した覚えがあります。
妻を亡くしてからシングルファザー歴も
はや4年です。
2人の息子と暮らしていますが、
掃除や洗濯、料理や食器洗いなども
苦ではありません。
自分のことは自分でする。
これはひとえに寮生活を経験していた
おかげだと思っています。
最後まで読んでいただきありがとう
ございました(^^♪